2014年12月31日水曜日

展覧会回顧 2014

はやいもので、今年も終わり。
昨年にならって、2014年に見た展覧会のうち、印象に残ったものをピックアップします。
なお、順番はその展覧会を見た時期別です。

生誕130年 川瀬巴水展 —郷愁の日本風景
千葉市美術館、2013/11/26〜2014/1/19


2013年末からやっていたのに、会期末ギリギリに見てきました。だって千葉は遠いんですもの。巴水の作品が良いのはもちろんのこと、千葉市美術館所蔵の新版画もまたすばらしかった。巡回先の横浜高島屋でも見ましたし、夏の終わりには川越市美術館にも行きました。ほとんど追っかけです。日本橋高島屋(2015/1/2〜1/12)も見に行かなくては。


国宝みうらじゅん いやげ物展 in TOKYO
PARCO MUSEUM、2014/1/17〜2/3


「くだらない」は褒め言葉。
この展覧会を見て、観光地のお土産屋さんの店頭を見る眼が変わりました(笑)。







「ハイレッド・センター」 直接行動の軌跡
松濤美術館、2014/2/11〜3/23


模型千円札裁判!

JAGDAやさしいハンカチ展 Part 3 被災地からのことばのハンカチ展
東京ミッドタウン・デザインハブ、2014/1/20〜2/23


東日本大震災の被災地の人びとのことばを、JAGDA所属のデザイナーがデザインする、という企画。

正直なところ、ありがちな前向きの言葉ばかりで、あまり面白い作品はなかったのですが、 現在10歳の女の子のことば 「ばーば(死んだばあちゃんへ)」。



この3文字に不覚にも泣いてしまいました。



歳をとると涙もろくていけません。

石田徹也展 ノート、夢のしるし
平塚市美術館、2014/4/12〜6/15


石田徹也展。描かれた人の視線がそれを見る私と向き合わない。こちらは向こうを見ているのに、相手はけっして目を合わせてくれない。描かれた人物同士もそう。互いの視線はけっして交わらない。向き合っているように見えても、焦点は相手よりも向こう側。どこかわからない場所を見ている。

憧れのモダン建築 - 建築家 土浦亀城・信子夫妻の提案
江戸東京たてもの園、2014/3/15〜5/18


土浦邸はたてもの園開設時に最初に候補に挙がったもののひとつだそうです。



武井武雄の世界展—こどもの国の魔法使い—
横浜高島屋ギャラリー、2014/4/23〜5/5


関連:
日本橋・不忍画廊「『本の芸術』 ~武井武雄の『刊本』を知って~」。

日本画家・土屋禮一氏の刊本コレクション14冊と、現代作家9人の「本」。限定300部でつくられた武井武雄の「刊本」。300部とは言え、本物の寄せ木細工だったり、麦藁細工だったり、螺鈿細工だったりを使った「本」。一点一点の凝りように溜息が出ました。

SIMONDOLL 四谷シモン
そごう美術館、2014/5/31〜7/6


「人形とは何か」ということを考えるなど。

高田喜佐 ザ・シューズ展
女子美アートミュージアム、2014/4/6〜6/8


2006年に亡くなったシューズデザイナー高田喜佐が41年間にデザインした靴1600点が神戸ファッション美術館に寄贈された。その中の800点。膨大な仕事に圧倒される。喜佐さんは50代になってからはキモノ好きに。展示にはバルテュス夫人節子さんのデザインしたというキモノも。ちなみに喜佐さんは女子美附属高校から多摩美。その縁で女子美での展覧会になったそう。


関連:
詩人高田敏子生誕100年 子どもへのまなざし、新宿歴史博物館、2014/4/26〜6/15

藤井達吉の全貌  野に咲く工芸 宙を見る絵画
松濤美術館、2014/6/10〜7/27


孤高の芸術家・藤井達吉。「戦後は世間からなかば忘れられた存在」であったにも関わらず生涯パトロンがいて食うに困らず、1962年、82歳のときには出身地・愛知岡崎の人たちが「帰郷運動」をして、家まで建ててプレゼントしているのだからすごい。

IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器
大阪市立東洋陶磁美術館、2014/8/16〜11/30


1月にサントリー美術館でも見ましたが、作品を所蔵している東洋陶磁美術館の展示の方がよかった。展示室まで引かれた赤いカーペット。入口のカーテン。デコラティブな額に入った宮殿などの写真。壁面展示ケースの作品の背後には、これまたデコラティブな額付の鏡で作品の背面を見せ、最後には大壺を露出展示した撮影コーナーも。サントリー美術館よりも、より受容側=ヨーロッパのコンテクストを強調した展示デザイン。

ポスターやチラシ、展覧会図録、会場デザインはすべて上田英司氏(シルシ)。図録の作品写真撮影は三好和義氏(東洋陶磁美術館所蔵品のみ)。




絵本づくりのマイスター3人展 —西巻茅子・馬場のぼる・わかやまけん—
ギャラリーA4、2014/7/4〜9/4


3人の共通点は、いずれも「こぐま社」で絵本を作っていること。タイトルに名前は出ていませんが、こぐま社の創業者・佐藤英和がキーとなる人物。こぐま社の絵本づくりは、作家だけでは決してなしえないもの。「11匹のねこ」については昨年のうらわ美の展覧会のときに制作経緯を知りましたが、 「こぐまちゃんえほん」シリーズが4人の合作であることは初めて知りました。

ディスカバー、ディスカバー・ジャパン「遠く」へ行きたい
東京ステーションギャラリー、2014/09/13~11/09


とても複雑、凝った構成の展覧会。企画の成相肇さんは天才か。

安西水丸展
クリエイションギャラリーG8、2014/10/17〜11/20


今年3月に亡くなった安西水丸さんの回顧展。小学校のときの水泳大会ポスターなんて天才!


関連:
安西水丸 地球の細道 展、GAギャラリー、2014/9/20〜11/3

河北秀也 東京藝術大学退任記念 地下鉄10年を走りぬけて iichikoデザイン30年展
東京藝術大学大学美術館、2014/11/13〜11/26


地下鉄マナーポスターやいいちこの広告で知られる河北秀也先生の退任記念展。地下鉄ポスターを展示してあるスペースは地下鉄の車両を模していたり……。入場無料で、いいちこのポスター作品を収録した300頁ほどの図録がお土産という太っ腹。



赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで
千葉市美術館、2014/10/28〜12/23


模型千円札裁判!


新井コー児 展
なびす画廊、2014/11/30〜12/14


毎年の楽しみ銀座・なびす画廊の「新井コー児展」。いつもの一癖二癖ある女子高生たち。酒、煙草、拓郎。新作ばかりの個展をなびす画廊で11年続けてきて、ここで小休止。地元高崎での展覧会出品はするとのことですが、なかなか見に行けませんし、残念。

銅版画家 清原啓子の宇宙
八王子市夢美術館、2014/11/30〜12/14


1987年に31歳で夭折した銅版画家の全作品+試刷+下絵+制作ノート+原版+蔵書など。とてもすばらしかった。「久生十蘭、埴谷雄高、三島由紀夫など神秘的、耽美的な傾向の文学を愛し、その「物語性」にこだわった精緻で眩惑的な作品」。テーマとモチーフと技法と技巧の粋に嘆息。鉛筆による下絵の精度も驚くばかり。



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その他の展覧会。

















































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