2013年9月22日日曜日

The Tokyo Art Book Fair 2013


The Tokyo Art Book Fair 2013
2013年9月21日〜23日
京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス
サイト

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収穫物のメモランダム。

① MEMO-GEN

大竹雅俊+大竹雄亮のご兄弟のデザイン事務所PORTさんの仕事。

PORT



活版印刷の原稿用紙風一筆箋。
一行7文字なので、俳句や短歌にも。
20行140字なので、ツイッターの下書きにも。
二つに折ると、カードサイズ。
他にも、板紙に印刷したポストカード、上に大きな余白をとった絵日記タイプがありました。

井の頭線・池の上の近くに、土日限定オープンのアトリエ兼ショップ&ギャラリー「FORT by PORT」があるそうです。機会があれば訪れたい。

②『池田修三木版画集:センチメンタルの青い旗』(ナナロク社、2013)。



秋田ローカルで非常に有名だったという版画家池田修三(1922-2004)の作品集。
地元の銀行のカレンダーや通帳なども手がけ、作品は比較的安価であったことから、お祝いとしてプレゼントされることも多かったということです。全く知りませんでした。すばらしい。
編集はRe:Sの藤本智士さん。ブックデザインは名久井直子さん。



『池田修三木版画集:センチメンタルの青い旗』
(ナナロク社、2013)


9月27日〜10月6日まで、
表参道と丸の内で作品展が開催されるとのことです。




③写真家・井村一巴さんにお会いする。

小冊子と写真絵葉書を購入。



セルフポートレートの印画紙に、安全ピンでスクラッチ。描かれるのは背中に生えた羽根であったり、宙を漂う海月であったり。ひとつひとつ、手で描いていくので、写真という複製芸術でありながらも一点もの(冊子はもちろん印刷ですが)。



井村一巴さんのお父さん井村隆さんは「カラクリン」という金属の彫刻で有名な方。
もう何年(十数年)も前、大磯町の図書館(だったか)で井村隆さんの展覧会を見て、とても印象に残っていたのですが(いまもどこかにその時のポスターがしまってあるはず)、先日、大宮のアルピーノ銀花ギャラリーを訪れたときに作品に再会! そしてひょんなことから、お嬢さんが写真家であることを知った次第です。

ギャラリー「ときの忘れもの」のサイトに掲載されている紹介文がほほえましい。かつては草間彌生さんに憧れる高校生だったのですね。



④ 多摩美術大学大学院美術研究科情報デザイン研究領域 メディアデザイン研究グループ

五十嵐威暢 多摩美術大学学長のTwitterでのつぶやきをモチーフにした作品の数々。ハードカバーの小さな本にしたもの、iPhoneサイズの冊子にしたもの、ポスターにしたもの……。

最もすばらしかったのは、宮島千枝さんの『呟く言葉、紡ぐ糸』。



五十嵐学長の言葉を薄紙に赤い糸で刺繍した小冊子。



「言葉を紡ぐとは、綿糸や絹糸から糸を紡ぐように、言葉を選んで文章を作ること。……呟かれる言葉はまるで糸を紡ぐかのように美しかった。もう、いっそのこと、糸で文字を紡ぎ出してはどうだろう。」



言葉を紡ぐ。
糸で紡ぐ。

詩人ですね。



オリジナル本は3万円。コピー本は300円。
見ている間も、展示テーブルの向こうでチクチク、チクチクと、新しい言葉が紡ぎ出されています。訪れる人の注目度も高し。

お願いして、できたばかりの1ページを譲ってもらいました(←聞いてみるもんだ)。
言葉が選べればもっとよかったけれども(←贅沢言うんじゃない)。

宮島千枝さんは、昨年の「タイポロジック2012」展にも出品されていました。お名前は失念していたのですが、作品は覚えています。要チェックのデザイナーさんです。


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