2012年9月30日日曜日

月。



昨夜(9/29)の月。新富町あたり。
今夜が満月らしいのですが、
おそらく台風で見ることができないと思いますので。

2012年9月29日土曜日

頭の惡い人は鼻が惡い
▼頭腦明快を望む人は注意せよ




此の廣告ハ一定期間更新が無い電脳日誌に表示されてゐます。


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頭の惡い人は鼻が惡い

▼頭腦明快を望む人は注意せよ


鼻と腦とは薄い骨の膜一枚で隣り合つてゐるので、鼻に病氣のある人は必ず腦が惡い。頭腦の不明晰の人、年中頭痛持ちの人等は調べて見ると必ず鼻の何処かに故障のある人である。早く根治の方法を講ぜぬと神経衰弱や憂鬱症に陥り遂には廢人同様となることさへあります。では如何にして之が根治をなすか、ドクトル湊謙治氏は多年苦心研究の結果之が治療に付き畫期的自宅療法の完成に成功するに至りました。一日一回三分間宛で、當住座臥何処でも出來ます。世の同病に惱む人々の爲め其方法を御知らせ致します。希望者は東京麹町區元園町一ノ五二明光社へ新聞名記入ハガキで申し込めば詳細説明書をお送りします。

『読売新聞』1933(昭和8)年5月19日、朝刊9頁。

だそうです。
煽りのキャッチコピーも、本文も、なんとも怪しげですねぇ。

このドクトル湊謙治、かなり大々的にビジネスを展開した模様。


ググってみると、「ミナト製薬」という会社が現在でも「ミナトシキ液」という鼻病薬を出しているようです。会社沿革によると創始者の名前が「湊謙一」となっていて、上の広告の「湊謙治」とはちょっと違うのですが、同一人物でしょうか。ああ、調べ出すとキリがないんですよねぇ。


2012年9月28日金曜日

備忘録:問題解決の手段としてのデザイン

あるいはデザインとアートとの違いはどこにあるのか。

メモランダム。

デザインとは問題解決の手段である」というと、「デザインには問題提起の側面もあるのではないか」と返される。

このような反応については、デザインとは「問題が存在することを如何に人びとに認識してもらうかという課題」に対する造形的な解決の手段である、と考えてみたらどうかと思う。

そのような意味において、グラフィック・デザインには「問題解決」よりも「問題提起」のためのデザインが多いと思う。しかし、それはいずれも本質的にはそれは「問題の存在を如何にして伝えるか」という課題に対する「問題解決の手段」なのだ。

ポスターコンクールを考えてみれば分かりやすいかもしれない。国内外を問わずコンクールでは主催者から与えられるお題には「問題提起」が多い。「啓発」ともいう。

デザイナーがどんなに頑張ったところで、ポスターそれ自体は人口問題も飢餓も地球温暖化も解決はしない。しかし、そのような問題が存在することを人びとに知らしめたい、問題意識を持ってもらいたいという課題の解決手段にはなる。

ここで重要なのは、問題解決にせよ、問題提起にせよ、デザインのそれは「自分の内なる課題」ではなく、「他者にとっての課題」であることがほとんどな点である。おそらくデザインとアートとの主な違いはそこにある。

他者の課題を解決するからこそ、人様からお金を頂くことができる。だから、デザインはビジネスになる。

自分の内なる課題を解決するためには、自分で対価を支払わなければならない。だから、世の中のアーティストの大部分は他人からもらうお金よりも出ていくお金の方が多い。

デザイナーであっても、「内なる課題」に取り組めば、デザインとアートの境界はとても曖昧なものになる。アーティストであっても「他者と共通の課題」に取り組めば、アートとデザインの境界はとても曖昧なものになる。自分のために生み出したものであっても、それが同時に他者の問題を解決するならば、当然それに対価を支払う人びとは出てくるからである。たとえそれが問題を解決していなくても。

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上の備忘録はWIRED.jpに掲載された記事「ジョン・マエダの考える『デザインを超えるもの』」を読んで考えたこと。

左脳的な合理性と右脳的な直感とを組み合わせることがイノヴェイションにとっての鍵である。もっとも「デザイン」と「アート」を混同してはいけない。これらは異なるものであり、その違いは重要だ──デザイナーが生み出すのが「解決策(答え)」であるのに対し、アーティストが生み出すのは「問いかけ」である。解決策がわれわれを前進させる製品やサーヴィスだとすれば、問いかけは物事の目的や意味を深く追求していくものであり、時に進むべき道を見つけるために、われわれを後ろに引き戻したり寄り道させたりするものである。アーティストの問いかけは謎めいたものであることも多く、ある問いに対して、別の問いで答えるようなものもある。だからこそ、アートを理解するのは難しい。私が好んで言うのは、誰かがアートを理解するのに苦戦しているとしたら、アートはその役割を果たしているということだ。
ジョン・マエダの考える「デザインを超えるもの」 « WIRED.jp

英文も示しておきます。

Mating our left-brained technical wizardry with our right-brained humanizing intuitions is key to innovation, but don’t make the mistake of confusing “design” with “art.” I’d argue that there’s a difference, and it matters. Designers create solutions – the products and services that propel us forward. But artists create questions — the deep probing of purpose and meaning that sometimes takes us backward and sideways to reveal which way “forward” actually is. The questions that artists make are often enigmatic, answering a why with another why. Because of this, understanding art is difficult: I like to say that if you’re having difficulty “getting” art, then it’s doing its job.
If Design’s No Longer the Killer Differentiator, What Is?

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ところで、「問題提起」ではなく、問題を直接的に解決する「アート」って存在するのだろうか。もし、それが存在しないとすれば、アートとデザインの決定的な違いはそこにある、ということになる。

20121010 いくつか追記。

2012年9月20日木曜日

避難用梯子

末尾に追記有り。コメントも参照されたし。

渋谷区円山町。
すぐ近くの松濤は大きなお屋敷ばかりだというのに、このあたりの混沌とした町並みはなんとも素敵。


| maruyama-cho | aug. 2012 |

木造モルタル二階建てアパートメントの壁面に鉄製の梯子。


| maruyama-cho | aug. 2012 |

上を見上げるとガラス引き戸の非常口。
ただし、ガラスの向こう側には荷物が積み上がっていて、もはや非常口としての役には立たないようです。


| maruyama-cho | aug. 2012 |

同じ建物の反対側。
1階は居酒屋です。


| maruyama-cho | aug. 2012 |

挙動不審な街角カメラマンの様子をうかがう猫。


| maruyama-cho | aug. 2012 |

物件は井の頭線・神泉駅の真ん前にあります。


折りたたみ式。



避難用梯子



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20120921追記

やっとかめ様から驚きのご指摘をいただきました。

この木造モルタルのアパートメント喜寿荘の1階は、1997年におきた「東電OL殺人事件」の現場だったというのです。詳しくはwikipedia、あるいは「東電OL殺人事件 現場」でググってみてください。

他のウェブログでも、この建物を撮影後に例の事件の現場であることに気づいた、ということを書かれている方がいらっしゃいます。
知らず知らずのうちに引き寄せられる何かがあるのでしょうか……。


さらに詳しいコメントを頂きました(↓)。

2012年9月18日火曜日

かわいい動物にも小さな(  )を!

静岡なんですけれどもね。

看板やポスターの文字が一部消えてしまって何が言いたいのかわからない、ということはよくあります。
たいていの場合は内容が想像できるのですが、こちらは難易度が高い。
文字が残っているパネルもあったのですが、写真を撮りそこねてしまいましたので、謎のままです。みなさんもご一緒に空欄に入るテキストを考えてみてください。


| shizuoka | sep. 2012 |

これ、他にも気になっている人はいるだろう、とググってみたら……ありました。


でも謎は謎のままのようです。

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こちらはさらに難易度高し。

サッカー少年のイラストのみ。テキストはまったく残っていません。


| shizuoka | sep. 2012 |

少年の足下には薄い文字で「Thanks for you」と書かれています。
うーむ。せめて向こう側に車が描かれていれば、交通安全関係かなと思うのですが。

こんな感じ↓だったとか?



こんな感じ↓だったとか?



こんな感じ↓だったとか?



よく分からなくなってきました。

2012年9月17日月曜日

親友からの手紙


君、頭がクシヤクシヤする時は『平凡』を讀みたまへ。手当たり次第にあけて、五頁でも十頁でも讀むさ氣分はさらりと晴れて來るよ。
妻君がふさぎ込んでゐる時は、何も言はずに、ポんと『平凡』を放り出したまへ。間もなく妻君はニツコリ笑つて君の方を振り返へるよ。
隣り近所の人氣者になりたくないか。祕訣を一つ教へやう。『平凡』を一冊買つて來て、順々にお貸し申すことだたゞ、それだけだよ。

『読売新聞』1928年11月10日、朝刊11頁。



2012年9月10日月曜日

守ろうルール・守ろうマナー

かなり迷惑されていらっしゃるようですので、
皆さんも気を付けましょう。(← なにを?)


| nezu | sep. 2012 |

1つのマンションの周囲に全部で30枚以上貼られていました。


| nezu | sep. 2012 |

犬用と猫用。


| nezu | sep. 2012 |

同じものもいくつもありましたが、それでもけっこうバリエーションがあるものですね。


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |


| nezu | sep. 2012 |



ストリートビューでこの場所を見ることができるのですが、そのときは数が少ない。どうやら年々歳々数が増えるようです(笑)。

2012年9月9日日曜日

徹夜続きの課長とデート♪

YOMIURI ONLINEに掲出されているサントリーの広告。
クリックするとおじさま向け健康食品のサイトにとばされます。
しかし、そのページには(26歳 女性)も、「徹夜続きの課長」も登場しないのですけどね。


※画像をクリックしてもとびませんよ。

ちょっと気になって写真の元ネタはなにかと調べてみたら……



「デートの相手、課長じゃないじゃん!」



それが言いたかっただけです (^_^;

デクスイメージ(DEX IMAGES)さんのストックフォトでした。
お求めは↓のリンクから (^ ^


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リロードしていたらこんなのも出てきたわけですが、


※画像をクリックしてもとびませんたら。

(26歳 女性)なのか?

2012年9月7日金曜日

イージーおしめ:赤ちやんの歌

おかあさん、怖いんですけど。



赤ちやんの歌
ちの赤ちやんよい子供
につこと笑つてゐるばかり
イージー おしめ
でおぽんぽを つゝんで夜もよく寝ます
ほんに可愛いベビーチヤン

『読売新聞』1923年4月23日、朝刊11頁。


ところで「おぼんぼ」ってなに?

おぼんぼと書かれているのかと思っていましたが、これはおぽんぽであるとご指摘いただきましたので、本文も修正いたしました。お腹を指しているのですね。

2012年9月6日木曜日

ガードレール

鉄筋を曲げて溶接。
そうまでして通らせないのか。


| ryogoku | aug. 2012 |

施工者の意地を感じます。

一方通行の狭い道なんですけれどもねえ。

2012年9月2日日曜日

第二次こけしブーム

もうずいぶん昔なのですが、渋谷パルコで開催されたこけし展、とてもよい展覧会でした。





kokeshi pop──ポップでカワイイこけしの世界
2012/03/02~2012/03/12
PARCO MUSEUM[東京都]

大阪・梅田ロフト会場(2011/12/28~2012/01/17)には20日間で1万6,000人★1、東京・渋谷パルコ(2012/03/02~2012/03/12)には10日間で1万2,000人★2が訪れたそうです。

で、こけしがブームらしいです。
で、いまは「第三次こけしブーム」らしいです。
ということは、「第一次こけしブーム」とか、「第二次こけしブーム」もあったわけです。

「第一次こけしブーム」はどうやら第二次世界大戦の前。
ちょっと調べた範囲では、いつ頃からブームであったのかよく分かりませんでした。東北地方各地でつくられていた木製人形が1940(昭和15)年に「こけし」の名前に統一されたとのことですから、おそらくこの頃になんらかの変化、ブームがあったのでしょう。

第三次こけしブームについては、現在進行形でもありますし、ググればニュース記事等々いろいろなソースが見つかると思います。火付け役としては、写真家・詩人の沼田元氣さんや、デザイナーのCOCHAEさんたちでしょうか。
ちなみにパルコでの展覧会を企画したのもCOCHAEです。ブームの主体には若い女性が多いようですね。

第二次こけしブーム

で、第二次こけしブームです。
この展覧会についてちょっと調べたときに、合わせて第二次こけしブームについてもあたってみました。展覧会が3月でしたから、調べたのも5ヵ月くらい前なのですけれどもね。
調べてみると、現在のブームとはかなり様相が異なりました。なので、備忘録備忘録と。


こけしは泣いている?!
鳴子 投機の波 ここまで


こけしの“ふるさと”宮城県玉造郡鳴子町で七日から「第18回全国こけしまつり」が始まった。……開会前からすでに全国各地からこけしマニア約五百人がつめかけ、午前九時の即売開始と同時に主会場の同町体育館の展示会場になだれ込み、名前の知られた工人の作品を買いあさった。
……会場は熱気がムンムン。中には買い込んだいっぱいのこけしを段ボールに入れてさっさと乗用車に積み込む人たちもいる。
……”名作”をめぐってはかなりの投機性も帯びてきているようだ。
「……今じゃ木のワンや、お盆も使う家庭が少なくなり、こけしの方がよく売れるよ」と老工人は苦笑する。そして「わしのこけしを欲しがる人が多いのは、もう年で、あまり作れないのと死ねば値が出るってことかね——」と高く売れる陰でさびしそうだ。
……このまつり、昨年は三日間で三千本、今年は九日までの三日間に三千五百本を用意したが、初日並べた約二千本は午前中に七割方売れた。

『朝日新聞』1972年9月8日、朝刊、23頁。



投機ブームで即売に行列
素人・マニア・画廊
こけし”怪しい”魅力


北国の素朴ながん具として、値段も手軽で、子どもにも買えたこけしが、今では、古銭、絵画ブームのあとを追うかのように投資、投機の対象としての色合いが濃くなり、「株よりもうかる」と口にするマニアもいる。集めたこけしを売って、家を建てた、という話もあるほどだ。……希少価値の作品に狂奔するマニアたちの姿は、単なる趣味とは違った”異常”なこけしブームを浮き彫りにした。

「この工人は、右手が動かなくなったそうだ」「この作者は、もう年だし……」。会場で、こうささやくマニアたち。製作不能になったり、死ぬと、その工人の作品の値がピンとはね上がることを見越しての買い物なのだ。マニアたちの、工人についての情報収集は驚くほどという。

白石市やこけし評論家によると、ブームは四十五年の万国博覧会を境に爆発した。それまでも、国体が東北地方で開かれるたびに人気が高まっていたが、万国博会場に東北の代表的物産として展示されたことが火を付けたという。……

人気の裏では、……とっくに死んだ工人の名前を入れて、ニセモノを作ったり……。なかには、そんな人もでてきた、とある評論家。

美術品と同じようにセリ市が盛んになってきたのも最近。……古品になると何十万円という高値がつく。

『朝日新聞』1974年5月24日、夕刊、11頁。


えらく殺伐としていますね。
これらの新聞記事を見ると、趣味で集めるという域を超えて、一種のこけしバブルだったようです。

バブルの結末はどうなったのか。
残念ながら新聞記事データベースで見るかぎり、その後についてはよく分かりません。こけしを高値で買ったまま、売るに売れなくて泣いた人もいるのでしょうか。

それに比べると現在のこけしブームは和やかなもののようです。
とはいえ、戦後のこけしブームも、当初は純粋な愛好家たちの楽しみだったものが、万博を期に爆発的なブームになったわけです。
何が火を付けるか分からないのがブーム。
なま暖かく見守りましょう。



こちらもおすすめ。




通信販売の「千趣会」の前身が「こけし千体趣味蒐集の会」というこけし頒布会であったのは豆知識。

★1──『産経新聞』2012年3月5日、東京朝刊、東京ニュース面。
★2──『読売新聞』2012年3月22日、朝刊、17頁。

2012年9月1日土曜日

水飲み場:墨田・立川第二児童遊園

人造石、方形のコンポジションのモダンな水飲み場です。
踏み台におかれたタワシがアクセント (^_^; 。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

マッシブなブロックと、薄い板の組み合わせ。踏み台まですべて一体につくられています。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

単純な構成ですが、角度によってその見え方がかなり変わります。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

水飲みの側面、踏み台、排水溝の三箇所は正方形となっているようです。





機能的には水飲みの水受けの横の空間も、広い踏み台も、大きな排水溝も不要なんですけれどもね。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

つまるところ、好き嫌いの問題と言うことです。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

デザイナー、いや建築家の手が入っていると思いますよ、これは。


| tachikawa 3 | aug. 2012 |

このかたちの水飲み場は初見ですが、コンセプトの似た造形を挙げるとすれば、上野動物園とか……


小平中央公園か知らん。