2010年12月31日金曜日

弥生美術館:水森亜土展




2010年10月1日(金)~12月26日(日)
弥生美術館

今年よかった展覧会のうちのひとつが「水森亜土展」です。
もうひとつ挙げるとすると、「内藤ルネ展」かな。
ちょっと偏りすぎていますが(笑)。


内田静枝編『水森亜土』河出書房新社、2010年10月、28-9頁。

展覧会の構成は、多彩な活動を続ける水森亜土の「伝記」と、「亜土ちゃんグッズ」紹介の二本立て。絵を描くようになったきっかけから、少女誌での活躍。そしてテレビ出演と、歌手、女優としての活動。イラストは原画や印刷物での紹介。テレビや女優としての仕事はスチルや、台本など。そして本人へのインタビュー。

圧巻は大量の亜土ちゃんグッズ。当時私はまったく興味がなかったけれども、女の子たちはなにかしらの亜土ちゃんキャラクターの入った文房具を持っていたと思う。そう言う意味では、懐かしかったけれども、亜土ちゃんのキャラクターは決して過去形ではない。Amazon.co.jpでちょっと調べただけでもたくさんのグッズが売られているし、若い子に聞いても結構知っている。私など都築響一の『デザイン豚よ木に登れ』を読むまで、水森亜土の存在はすっかり忘れていたというのに。


で、『デザイン豚よ木に登れ』の記憶がまだ新しかったものですから、弥生美術館で水森亜土の展覧会が開催されていると知って、急いで出掛けていったわけです。

その『デザイン豚』の中で、都築氏は水森亜土を「日本のグラフィティの元祖」と書いています。

ヴィジュアル・イメージとしての日本の七〇年代を思い浮かべるとき、すぐに頭に浮かぶのが横尾忠則と水森亜土だ。しかし横尾忠則は『アイデア』を含むさまざまなアート・メディアで語り続けられているのに対し、水森亜土を本気で取り上げるメディアはない。もしかしたら一般人への影響力という点では、横尾忠則をはるかにしのぐパワーがあったにもかかわらず、アーティストとしての水森亜土を語ろうという評論家やジャーナリストは皆無だった。
……単なる大衆文化への蔑みが、彼らの口をつぐませていたのだろうか。

都築響一『デザイン豚よ木に登れ』洋泉社、2009年6月、118頁。

グラフィティと言う言葉をしらなかったのですが、スプレーやマジックなどを用いた「落書き」のことなのですね。
都築氏はおそらくテレビでのパフォーマンスのことを指して、彼女をこのように形容しているのでしょう。

さてさて、じっさい若い女性にインタビューしたらきっと横尾忠則よりも水森亜土のほうが知名度が高いのではないかと思います(調べていません。印象です)。少なくとも、横尾忠則グッズを持っている/いた人よりも、亜土ちゃんグッズを持っている/いた人のほうが多いに違いありません。かくも私たちの文化に多いに影響を与えたであろう水森亜土が批評の対象になることがないのは確か。


でも、いったいどのような方法、視点ならば水森亜土の時代と作品を語ることができるのか。

展覧会図録を兼ねた本『水森亜土』(河出書房新社刊)は、「作品集」兼「伝記」。もちろん独自の視点で編集されていて、非常に価値の高いものだと思うのですが、いわゆる「評論」はありません。

たしか「内藤ルネ展」図録に椹木野衣氏がすばらしい一文を寄せていたとの記憶があったので、それを参考に読み直してみようと思ったのですが、買ったはずの図録が見つからない。探していたら展覧会が終わってしまいました。見つかったら改めて続きを書きます。

こちらの本は目の前にあるのだけど。


『内藤ルネ』河出書房新社、2002年6月。

内藤ルネも2002年の弥生美術館での展覧会をきっかけに再ブレイク。
ですので、これから再び水森亜土の時代が来るかもしれません。

2010年12月30日木曜日

江の島展望灯台

展望灯台も新しくなってから初めて登ったので、新旧比較。
古い展望灯台、かっこよかったなぁ。


| enoshima | mar. 2002 |


| enoshima | dec. 2010 |


| enoshima | mar. 2002 |


| enoshima | dec. 2010 |


| enoshima | mar. 2002 |


| enoshima | mar. 2002 |


| enoshima | dec. 2010 |

2010年12月29日水曜日

水飲み場:江の島植物園

今はなき江の島植物園の水飲み場。


| enoshima | mar. 2002 |

現在は「サムエル・コッキング苑」という名称です。
2003年の公園リニューアル後、初めての入園。
かつての水飲み場を探してみましたが、見つかりません。
撤去されてしまったのでしょうか。

代わりに、入口近くに御影石製、最新のバリアフリー対応水飲み場が設置されていました。流し台のようなカタチです。


| enoshima | dec. 2010 |

おそらく車椅子はこちら(↓)からアプローチすることを想定しているのでしょう。


| enoshima | dec. 2010 |

はたして使い勝手が良いのかどうか、よく分かりません。


| enoshima | dec. 2010 |

それ以前に、階段だらけの江の島の頂上に、車椅子の方が登ってこられるのかどうかも分かりません。


| enoshima | dec. 2010 |

バリアフリーなのは水飲み場だけ、という気もします。

2010年12月24日金曜日

水飲み場:港の見える丘公園(再)

向こうには横浜港のダイナミックな眺望を楽しめる展望台。
以前掲載したパブリック・アート系の水飲み場ですが、「これは何をモチーフにしているのだ?」。



| yokohama | jul . 2010 |

答えが分かりました。
「展望台のルーフを支えるパイプを受ける基礎」(↓拡大図)。

| yokohama | jul . 2010 |

同じ構造物をひとつ、そのまま水飲みに持ってきたそうです。4つの羽根は、円筒状のパイプを受けるためのもの。
というわけで、向こうの展望台とこちらの水飲み場は同じモチーフ、共鳴する関係にあるというわけです。へえ。


| yokohama | jul . 2010 |

横浜のランドスケープデザインを数多く手掛けられている「山手総合計画研究所」の仕事です。
水受けのカタチも、とくに船のような具体的なモチーフはないとのこと。
分かってしまえば「な〜んだ」といいいますか、「へえ」といいますか。でも、なかなか想像が膨らむ造形ですね。
タコ山の滑り台ではありませんが、ひとびとが考え、工夫する余地がある、というのは大切。分かりやすければよいというわけではないという一例ですね。

お忙しい中、つまらない好奇心にお答えいただきました横浜市環境創造局と山手総合計画研究所のご担当者さま、ありがとうございました(^_^;。

2010年12月23日木曜日

水飲み場:上野動物園 05

あまり良い写真ではありませんが、公園口ちかくの水飲み場です。
古い円形の手洗い兼水飲み場と、バリアフリー型の水飲み場。


| ueno zoo | dec. 2010 |

もう閉園のアナウンスが流れていました。また次の機会に接近して撮ってみましょう。


| ueno zoo | dec. 2010 |

2010年12月22日水曜日

水飲み場:上野動物園 04

青くペイントされた手洗い兼水飲み場です。


| ueno zoo | dec. 2010 |

上野動物園 03で紹介した水飲み場とほとんど同じですが、水受けに排水孔がなく、側面の溝を通って排水される構造です(ステンレスでカヴァーされています)。


| ueno zoo | dec. 2010 |

水栓のハンドルが3つとも少しずつねじれています……


| ueno zoo | dec. 2010 |

2010年12月21日火曜日

水飲み場:上野動物園 03

淡いオレンジ色の人研ぎ。両面タイプの手洗い兼水飲み場です。蛇口の数は合計6箇所。そういえば、ここには「水のみ」のサインポールはありませんでした。


| ueno zoo | dec. 2010 |

気がつきました? 土台の高さがこちらがわと向こう側とで異なっています。とはいえ、背が届かないからといって向こう側に回ってみる人はいるのか知らん。


| ueno zoo | dec. 2010 |

落ち葉で隠れてしまっていますが、丸い小さな排水孔が一箇所。内部を通って下の排水溝へ。


| ueno zoo | dec. 2010 |

2010年12月20日月曜日

水飲み場:上野動物園 02

上野動物園、モノレール東園駅の近くのコンクリート製水飲み場です。
アップライトピアノ型とでも名付けましょうか。
これは手洗いではないか、という人もいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと「水のみ」の看板が出ています。上を向いている蛇口があることも、ここがじっさいに水飲み場として使われている証でしょう。


| ueno zoo | dec. 2010 |

水受けの中央に排水孔があり、水は内部を通って左下の排水溝に至るようです。


| ueno zoo | dec. 2010 |

背後の土台にヒビが入っているのは、正面側に重さがかかっているから?


| ueno zoo | dec. 2010 |

2010年12月19日日曜日

水飲み場:上野動物園 01

動物園に行く予定は全くなかったのです。
根津から上野駅まで行くのに、動物園の中を通ると近道かな、と思ったのです。
ぐるっとパスの上野動物園のチケットが使えるので入場料もかかりませんし(動物園のチケットはいつも使わず仕舞いなんです)。
結局のところ、爬虫類館を覗いてみたり、ハシビロコウをみたり、いろいろな水飲み場があることを発見したりして、時間がかかってしまいましたが。
閉園間際の冬の動物園。人影もまばらでよかったですよ。

* * *

重層的なコンポジションがとても美しい水飲み場です。
いや、手洗いなのかもしれないけど、後ろに立っているポールの先には「水飲み FOR DRINK」と書かれていました。


| ueno zoo | dec. 2010 |

排水路の溝は、水が撥ねないようにかアクリル板で蓋がされてしまっています。少し残念。


| ueno zoo | dec. 2010 |

排水路の下には小さな丸い排水溝。


| ueno zoo | dec. 2010 |

土台、踏み台、支柱、水受け。左右対称の美とはまた異なる、ずらされた方形の組み合わせがすばらしい。

2010年12月18日土曜日

水飲み場:上野公園

パブリック・アート系、御影石の水飲み場です。

上野駅から動物園、国立博物館から聚楽台方面へと向かう道がクロスするあたり。何度となく通っているはずですが、これまでこの水飲み場には気がつきませんでした。


| ueno park | dec. 2010 |

正面図。


| ueno park | dec. 2010 |

水受けの水をどのように排水するのかと思えば、このように石がくりぬかれています。


| ueno park | dec. 2010 |

余った水は手洗い水栓の上で二手に分かれて排水溝へ。
よく考えられていますが、ちょっとやり過ぎのような気もします。
手洗い水栓は水受けで隠れてしまっており、手を洗おうとすると頭をぶつけてしまいそうです。


| ueno park | dec. 2010 |

背面はこんな感じ。溝にはとくに機能はないようです。


| ueno park | dec. 2010 |

2010年12月17日金曜日

公園遊具:北町子ども広場の生き物たち

ヤドカリ。


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |

カニ。


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |

大きな滑り台の向かう先は砂場になっており、


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |

ここは砂浜に見立てられているというわけです。


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |

ステキな滑り台です。このうねうね、ひょっとして巻き貝を模しているのでしょうか。


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |

忘れ物のプーが冷たい雨に打たれて震えていました。


| kichijoji kitamachi | dec. 2010 |