2009年10月7日水曜日

ウォルター・ランドー:森永ミルクキャラメル


1986年(昭和61年)7月、森永製菓のエンゼルマークは、従来の逆立ちしたものから、現在見るデザインに変更された。これを手がけたのがランドー・アソシエイツ(Landor Associates)である。

ランドーアソシエイツ - Wikipedia
1941年、ウォルター・ランドーによって設立された。企業のブランドネーム、シンボルマーク、ロゴのデザインや商品名などをトータルで提案する。世界最大級の規模と実力を持つ、ブランディング/デザイン会社の老舗である。
本拠地のサンフランシスコ以外にも、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、香港、シンシナティ、シアトル、ハンブルク、マドリード、メキシコシティ、シドニーなど、世界各地に事務所を展開している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ランドーアソシエイツ

ウォルター・ランドーが日本で初めて手がけた仕事はサッポロ缶ビール(1959年)であるが、1962年(昭和37年)には森永ミルクキャラメルのパッケージデザインを手がけている。


| 『森永製菓100年史』、2000年8月、178頁 |

このとき森永製菓は、類似商品ではあるが、タイプの異なるミルクキャラメル二種類を市場に投入している。そしてこの二種類はそれぞれ市場で高い評価を受け、森永ミルクキャラメルの総売上はねらい通りに上昇したという。

外国人デザイナーの起用
……昭和三七年に登場した森永ミルクキャラメルの〈厚型〉は、あえて類似分野での拡充を意図するものであった。従来のややハードタイプの一箱一六粒入りに対して、この厚型は大粒でソフトなアメリカンタイプの一箱一二粒入りで、価格はともに二〇円。厚型のサックデザインは、伝来の森永ミルクキャラメルを基調としながら、思いきってモダンにしたもので、国際的に著名なアメリカ人デザイナー、ウォルター・ランドーの手になるものだった。(『森永製菓100年史』、2000年8月、179頁)

この二種類のパッケージは約8年間販売されていたが、その後「紙箱デザインは従来型、内容の品質はソフトな厚型タイプに統合され、十二粒三〇円で販売された」(同)そうである。

レイモンド・ローウィの「ピース」のパッケージもそうであるが、海外デザイナーの日本進出はまずはパッケージ=製品のブランディングからスタートしているようだ。おそらく企業自体のブランディング=CIという概念はまだ日本になかったのかもしれない(要調査であるが……)。

また、変化と革新、そして回帰、というパターンは、このところの缶ビールの復刻と相まって、興味深い。

関連:
ウォルター・ランドー:サッポロ缶ビール復刻版
→http://tokyopasserby.blogspot.com/2009/10/blog-post_06.html

森永ミルクキャラメル:エンゼルは男の子?それとも女の子?
http://tokyopasserby.blogspot.com/2009/10/blog-post_04.html

レイモン・サビニャック:森永ミルクチョコレート
→http://tokyopasserby.blogspot.com/2009/09/blog-post_16.html

森永製菓:会社案内:歴史
http://www.morinaga.co.jp/company/rekisi.html

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